内定が決まると、迷いはじめる人が多いというのが実情です。「こんな仕事が自分で出来るだろうか?」あるいは「もっと良い仕事があるのではないか?」「私にピッタリ合った会社がほかにあるのではないか?」・・・
こういうのを、「内定ブルー」って言います。
でも、考えてみて下さい。100%良いことだけの仕事は、世の中にはありません。「貿易をやりたい」という人は多いのですが、本当に貿易の仕事が分かって言っているのでしょうか。納期調整が大変だし、顧客からのクレームに振り回される仕事です。事務職希望の人も少なくありませんが、一日中、パソコンとにらめっこの仕事だったりします。
それに、仕事がうまく行っていても、お客様とうまくやっていても、会社内の人間関係が悪ければ、職場は最悪の場所になります。でも、入社前に職場の雰囲気を知ることは、現実的には難しいです。
それから、給料の水準を初めから高く求める人がいます。収入が多いということは、ノルマも厳しいということ。簡単な仕事で高い給料というのはあり得ません。それに加えて、仕事だって、楽しいことばかりではありません。良いお客様がいれば、悪いお客様とも必ず出遭います。
地方に行けば、チャンスがあるのに、「東京から離れて知らない町に行くのは不安だ・・・」ということで、面接を断ってしまう人もたくさんいます。本当にもったいない・・・。みんな、「母国から離れて知らない国に来る」という人生にとって大きなチャレンジをしたのに、それと比べれば、小さな小さな不安を真っ先に挙げて、自分の可能性を狭めてしまっています。
想像だけふくらましていくと、内定が出た途端に、他の仕事が良く見えてきます。あなたが内定をもらった仕事が、嫌になってきます。多くの内定者は、みんなそうです。
でも、今、内定をもらった会社より、よりよい仕事で内定をもらえる保証はどこにもありません。それが現実です。
新しい仕事を始めることは、勇気のいることです。新しいことにチャレンジしたり、新しい環境に飛び込むことには勇気がいります。だから、内定が決まった途端に、臆病になってしまうのも、仕方のない面はあります。
でも、思い出して下さい。就職活動中で、どこからも内定がもらえなくて、「明日、どうなるのかわからない」という不安に襲われていた頃、「自分を求めている会社なんて、どこにもないのでは?」と心配していたとき、面接をするたびに自分自身に値段が付けられているような不愉快な気分、滑り止めで応募した会社からの不合格通知を受けて、自分のすべてが否定された気持ち、何度も受けた無意味な適性試験の疲労感・・・
あのときは、本当に辛かったと思います。「よりよい仕事を見つける」という言い訳で、もう一度辛い就職活動に戻ってみますか?
就職は結婚に似ています。結婚も就職も縁だと思います。いくら能力があっても、就職出来ない人、内定がとれない人がいます。内定が出たということは、その会社と縁があったと言うことを意味します。辞退するのは簡単ですが、縁をもう一度考え、それを大事にして、幸せな仕事を見つけられるよう、がんばって下さい。
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