こんな相談を受けました。
「私は、いま専門学校に通っていますが、卒業後は日本で就職したいと考えています。仕事は何でも構わないのですが、アルバイト経験のある飲食店なら、自信を持って仕事ができるのでいいかなと思っています。でも、友人や先輩からは、『飲食店は最初のビザがとれたとしても、次の更新ができないからやめた方がいい』と言われました。せっかくビザがもらえても、更新ができないなら意味がありません。ですから、更新の心配のない仕事を探したいです。どのような仕事なら、ビザの更新の心配がありませんか?」
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が認められるためには、「学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務」であるか、もしくは、「外国の社会、歴史・伝統の中で培われた発想・感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするもの」である必要があります。ここで、「一定水準以上」と認められない場合、在留期間の更新が困難になる可能性が高まります。
「一定水準以上」に関する定義は、法令や入国・在留審査要項には書いてないのですが、判例では、「一定期間の修練や実務経験がなくても容易に行うことのできる業務」と判示されています。したがって、いわゆる「単純労働」にずっと従事させるという仕事でなければ、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を更新することは可能です。
ただし、そのためには、店長等の管理職にまで育成するための会社としての研修計画の策定・運用や個々人に対する研修担当の指名、キャリアプランの明示等が必要であると思われます。あるいは、一定数以上の外国人アルバイトの研修・教育・訓練や顧客対応などの「外国語を必要とする業務」の十分な業務量が求められるでしょう。
したがって、在留期間の更新については、どの業種とか、どのような仕事という観点ではなく、「在留資格という制度に詳しい会社か否か」という点の方が重要であるという事実を指摘しなければなりません。入国管理法の枠組みの中で、その要件を満たしているという説明と立証ができる会社か否かが重要なのです。
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