今、入管制度は大きく変わろうとしています。
具体的な柱は、次のような感じです。
・外国人観光客の誘致のための規制緩和
・少子化にともなう生徒不足を留学生で補うための規制緩和
・優秀な研究・ビジネス人材を誘致するための優遇措置の新設・拡充
・労働者不足を補うための技能実習生制度や就労制度の再整備・拡充
・取り締まりを効率化するための多方面への厳罰化
具体的には、
1)昨年に法改正され今年1月と4月に施行された改正入管法
2)現在まさに国会へ提案中の改正入管法案
3)同じく提案中の技能実習法案(新設法)
の3つの大きな法律の動きがあります。これを以下に紹介しておきます。
【I】平成27年4月(一部は1月)施行された改正入管法
1)在留資格「高度専門職1号」「高度専門職2号」の新設
入管所定のポイント計算(学歴、業績、経験年数、収入等)で70点以上を獲得した高度な能力を持つ外国人に対して、これまでは在留資格「特定活動」を付与して優遇していたが、あらためて正式な在留資格を設定。入国時は「1号」を付与する。「1号」の資格を3年以上保持した者は「2号」へ変更できる。「2号」の在留期限は無期限。ただし正当な理由なく「2号」としての活動を3か月続けていなければ在留資格の取り消し対象となる。
2)在留資格「投資・経営」を「経営・管理」へ変更
従来の在留資格は、投資の場合には申請人自らが500万円規模の投資をし経営に参画しなければならなかった。2015年4月以降は、誰が投資したかは問わず、500万円規模の投資が行われている事業所において経営・管理に参画する外国人にこの在留資格が許可される。つまり100%日本法人の役員に外国人が就任する場合も許可される。投資要件以外(事務所要件、労基法順守要件など)の基準は従来通り。
在外外国人が1人で日本法人を設立する際には、設立準備に関する疎明資料を提出すれば、法人設立の手続きをする目的で同在留資格(在留期間4カ月)が許可される。その際、「事業所の設置について委託を受けている者」が法定代理人として在留資格認定証明書交付申請を行える。
3)在留資格「技術」と「人文知識・国際業務」を一本化
従来は、理系分野の職務に就く者には「技術」、文系分野の職務に就く者には「人文知識・国際業務」が許可されていたが、在留資格の名称を「技術・人文知識・国際業務」に一本化した。審査基準自体は変わらない。
4)在留資格「留学」の対象者を拡大
従来は高校生以上を対象としていたが、小学生以上に拡大。小中学生は寄宿舎、親族の家等の宿泊施設があることが必要。留学中の子の養育を希望する保護者のための在留資格はない。
5)クルーズ船客の在留資格「短期滞在」手続きを簡素化
日本に停泊するクルーズ船の外国人乗客に対する手続きを簡素化。
6)入管職員の調査権限拡大
再入国許可・同許可の取り消しに係る調査権限を付与。また退去強制令書の執行に関して公務所または公私の団体に照会する権限を付与。
また、興味がある方。弊社へメールして、ご相談ください。
出典:http://news.visatojapan.com/