日本には、「金継ぎ(きんつぎ)」または「金繕い(きんつくろい)」といって
割れた食器を修理する方法があります。
昔は特別な技術で、プロの人にたのんで仕上げてもらっていましたが
今は、簡単にできるものがホームセンターで売っているので、誰でもできます。
割れたものを捨てるのではなく、修理して、使い続けるのは
「もったいない」からですね。
今は使い捨ての文化がずいぶん広がりましたが、昔はなんでも
修理して使い続けていました。
これは日本だけでなく、どの国も同じだと思います。
物が不足していれば、誰でも物を大切にし、どうにかして
使い続けようとすることでしょう。
この「金継ぎ」の素晴らしいところは、単に割れた食器をくっつけて
元にもどすだけでなく、金を入れることで、新しい模様として、
プラスにとらえるところです。
傷をかくすのではなく、美しくみせる。
この美意識と前向きな考え方は、もしかすると
日本特有の哲学かもしれません。
もしそうであれば、それはとても誇らしいことですし
大切にしたいと思います。